認知症相談外来

当院は、「長野県認知症サポート医」「長野県認知症相談医」として認知症の相談に応じています

厚労省は、2025年65才以上の5人に1人は認知症と推計し、予防を含めた国家戦略施策「新オレンジプラン」を打ち出しました。
また、高速道路逆走などが社会問題にもなり、75才以上の運転免許証更新時の認知症機能検査が一層強化されます。
当院では、認知症の早期診断・治療やケアをはじめご家族の介護支援など幅広い相談対応を目的に「認知症相談外来」を開設しました。(当面再診のみ予約)。
初診時(随時)に問診・簡単な検査。頭部CTや血液検査など受けていただき、必要に応じ「認知症相談外来」で詳細に経過を見ていきます。

治療すれば治る認知症があります

早期発見により治療すれば治る、あるいはある程度の回復が望める認知症があります。たとえば、甲状腺機能低下などの内分泌疾患、また頭蓋骨の内側に血液がたまる慢性硬膜下血腫や脳腫瘍などによる認知症の場合、治療が可能な場合があります。
長時間の放置により、脳細胞が死んだり、恒久的な機能不全に陥って回復が不可能になりますので、1日も早く受診することが重要です。治療が可能な認知症はおよそ1割といわれています。

アルツハイマー病は薬で症状が改善できる

現在、アルツハイマー病の人の脳では、記憶や学習にかかわる神経伝達物質アセチルコリンが不足していることがわかっています。
このアセチルコリンの不足を防いで症状の進行を遅らせる薬(アリセプト)を早い時期から服用すると、一時的に症状を改善することや、認知症の進行を遅らせることができます。早く使いはじめると健康な時間を長くすることができます。

家族と本人に余裕が生まれる

本人にとっては、早期に診断を受けることによって、病気が進んだときにどのような世話を望むか、財産はどう処理するか、今後の自分の生き方について自分の意思をはっきり示しておくことができます。また、介護を念頭に置いた家のリフォームなどは、本人が理解できるうちに行うことにより混乱を低減することも可能です。家族にとっても、早期に認知症の正しい知識を身につけ原因となる病気に特有な症状を理解しておくことができれば、認知症の方との接し方を心得ることができ、本人との人間関係をよりよく保つことができるとともに、あらかじめ介護サービスの情報を知っておくことにより、不安を少しでも取り除くことができます。

介護の悩みを一人で抱え込まず、気軽に相談してください